【症例】〜左手の脱力感・手に力が入らない女性

2018.08.11

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患者様:K様 30代 女性 職業 歯科衛生士

 

症状:2年前から続いている左手の脱力感・手に力が入らない

その他の症状〜10年以上続いている慢性的な首、肩のこり腰痛(職業病と半ば諦めている)

 

経過:2年前に、症状が出始めて直ぐに整形外科を受診。レントゲンを撮るも異常は見つからず、ビタミン剤とメチコバールを処方される。

薬を飲み続けたものの、改善が見られず別の整形外科を受診。M R I検査でも異常は見つからず、以降の治療を断念していた。

2年たっても症状は持続。仕事だけでなく日常生活にも支障があり、数ヶ月前にポストに入っていた当院のチラシを思い出し、8月に入り当院を受診。

 

 

当院では、問診、視診、検査の結果から

胸郭出口症候群(斜角筋症候群)と判断し、施術を行いました。

 

 

胸郭出口症候群(斜角筋症候群)とは

 

胸郭出口に含まれるのは、斜角筋と第一肋骨、または前斜角筋と中斜角筋の間の通路部です。【イラスト参照】

 

前斜角筋と中斜角筋と第一肋骨の間の隙間を「*腕神経叢(わんしんけいそう)」「鎖骨下動脈」が通り、その後鎖骨と第一肋骨の下を通り指先の方へ向かう。

腕へと流れて行く途中、この通り道の何処かに、血管や神経の走行を邪魔するような筋肉の硬結があると、「痺れ・感覚異常・脱力感など」が生じます。

一般的にいかり肩の男性や、なで肩の女性に多いとされます。

 

*腕神経叢(わんしんけいそう)・・・腕へと向かう神経の束

 

症状発生のポイントとなる筋肉・・・斜角筋

 

この筋肉は本来は「頭を側方へ傾ける」といった比較的簡単な働きをしますが、呼吸に問題が生じると、肋骨を引揚げる動作も担っているため、呼吸を補助する役割としても働いています。(マラソンランナーがゴールした後にするような呼吸がイメージに近いです)

 

ストレスを抱えた場合や、緊張状態が続くと呼吸が浅くなり、呼吸運動を補助する斜角筋には多大な緊張が加わるため、この筋肉に問題を抱えている方は多くいます。

また斜角筋は、関連痛を引き起こす筋肉として知られています(トリガーポイントになりやすい)

 

 

治療のポイントとなる筋肉・・・横隔膜

 

ここまで書くと治療のポイントは「斜角筋」になりそうですが、実は「斜角筋」だけが治療の対象ではありません。

呼吸が浅くなるような要因となった、「横隔膜」の緊張を緩めてあげる事が、「斜角筋」の負担を減らしてあげる事が、症状を改善するために重要になっていきます。

 

【横隔膜】

 

 横隔膜は、胸部と腹部の境となり、呼吸に関わる非常に重要な筋肉で、下部の肋骨や背骨にも付着しドーム状の形をしています。呼吸筋なので24時間休む事なく働き続けているとても頑張り屋さんな筋肉です。

注)あまり馴染みがないかもしれませんが、焼肉で言うところの「サガリやハラミ」と呼ばれる部位です。個人的には脂っこいお肉より好きな部位です。

 

 

触診の結果、やはり横隔膜がガチガチに緊張しており、見た目にも肋骨の動きが少なくなっていました。

横隔膜の緊張をリリースしてから、頚部の施術を含め全体の施術を終了。

 

手に症状があるから、手だけを見ているわけでは恐らく治らないと思います。

体のつながりや働きを考慮した上で、施術を組み立てて行く必要があり、そこがこのお仕事の面白いところだと感じています。

 

最後に

 

今回のようにレントゲンやMRI等での検査では、異常が見つからなかった為、治療のしようがないと思い、そのまま症状を放置している方は少なくはありません。

レントゲン・MRIでは、筋肉の状態まで詳しく解らないことから、病変を見つけるには、「問診」と確かな「触診」力が必要になってきます。

そして、病変が見つかれば、改善をするための的確な「手当て」が必要になって行きます。

 

 

原因がわからない症状でも、諦めないでもらいたいなと思います。

原因を見つけて、一緒に良くなっていけたら嬉しいですね!

 

 

リタ箱崎【鍼灸・マッサージ・整骨院・整体院】 吉村大樹